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FX口座の比較をする前にまずはここに気をつけよう「Q&A」

FX手数料の比較でコスト削減よりも資産の安全を優先しよう

FX取引を始めるため、業者を選ぼうと思ったとき、取引時の手数料が最初に思い浮かぶ投資家は多いのではないでしょうか。

ただ、最近は手数料を無料に設定している業者が多いので、あまり業者間で差は見られないかもしれません。もちろん、事前に確認しておく必要はありますが、手数料以上に注意すべき項目があると思います。

信託保全の義務化で保護の仕組みを整備

例えば、FX取引業者に不測の事態が発生したとき、投資家の関心は自分の預けた証拠金が無事に返還されるかどうかに向くと思います。つまり、業者選びで優先すべきなのは、自分の資産と預け先となる取引業者自身の安全性でしょう。

そこで、まず、投資家保護の仕組みとして、「区分管理(分別管理)」について確認したいと思います。

「区分管理(分別管理)」とは、顧客の資産とFX取引業者の財産を区別して管理することで、一般的には、「信託保全と分別管理」のように使われます。

「信託保全」とは、FX取引業者が投資家から預かった証拠金(顧客資産)を信託銀行などに預ける(信託する)ことです。

2007年夏以降、複数のFX取引業者が破たんし、業者による資金流用などで顧客から預かった証拠金が消失するなど、顧客に証拠金が返還されなくなるといった事態が頻発しました。このときは、分別管理は法律で義務付けられていた一方、信託保全については任意とされていました。

このため、顧客の証拠金を信託銀行などに預けず、社内で保管していた業者も存在しており、こうしたことが証拠金の流用につながったものと推測されます。

このような事態を踏まえ、FX取引業者などの破たん時に顧客から預かった証拠金が確実に保全されるよう、区分管理の方法が信託銀行などへの金銭信託に一本化されることになりました(信託保全の義務化)。

こうしてFX取引業者は、投資家からの証拠金を自社の資産と明確に分別し、信託銀行などへ全額預け入れる(信託する)ことが義務付けられ、証拠金の一部のみを信託銀行へ預ける一部信託はできなくなりました。

現在は、FX取引業者が破たんしても、少なくとも顧客に証拠金が全く返還されなくなるといった事態は回避され、以前より投資家の資産保護の仕組みは整備されていると考えられます。

取引業者の安全性も引き続き重要

投資家の資産保護の仕組みが整備されているのであれば、取引業者の安全性についてはもう考慮する必要はないのでしょうか。

そもそも証拠金は、実現損益、評価損益、スワップ損益の加減算、未払い手数料の額の減算などで調整されて信託されることが必要となりました。

つまり、為替差益の状態のときに業者が破たんした場合には、利益分が加算されて返還されますが、為替差損の状態のときの破たんの場合、証拠金は当然減額された状態での返還となります。

このように考えると、FX取引業者の安全性についても引き続き重要ということになります。

FX取引業者の即応性にも留意

一方、FX取引業者は、証拠金を日々適切に算定し、それに見合う金額を計算日の2営業日以内に信託銀行などへ預けることが義務付けられました。

このため、取引業者に対しては、

  1. 証拠金相当額に加え、実現益および評価益に相当する金額などに対応できる十分な資産力や信用力
  2. 直近の損益状態を速やかに信託保全対象額として反映できる即応性

...などがそれまで以上に問われることになりました。

資産力や信用力は、安全性に直結するので、重要性は理解できると思いますが、なぜ、FX取引業者の即応性が問題なのでしょうか。

FX取引業者が、最新の証拠金を算定し信託銀行に預けるまで、タイム・ラグが発生し、この間は、信託保全の対象から外れる状態になります。

せいぜい2、3日程度の期間に、業者による流用が発生するといった事態は、現実的には考え難いことですが、投資家の立場に立つと、信託保全される証拠金には、直近の状態ができるだけ速く反映されることが望ましいでしょう。

こうしたことから、投資家は、FX取引業者の即応性にも留意が必要と考えられる訳です。

資産力や信用力の確認項目は

次に、FX取引業者の資産力や信用力の判断材料として、自己資本規制比率を取り上げたいと思います。

自己資本規制比率とは、証券会社や金融先物業者の健全性確保のために導入された規制のことで、以下の算出式で計算されます。

自己資本規制比率(%)=
固定化されていない自己資本の額 ÷
リスク相当額 × 100

金融先物取引法では、この自己資本規制比率を一定水準以上に保つというルールの下、業者に対して、自己資本規制比率を120%以上に維持することを義務づけています。

FX取引業者間の比較

以上を踏まえ、信託保全の即応性と自己資本規制比率に着目し、比較サイトなどによく登場する業者間でそれぞれ比較してみました。

まず、投資家から預かった証拠金の直近の状況が、取引日から最大何営業日で信託銀行などに反映されているか、各社ホームページの記載を基にまとめてみました。ただし、記載内容から日数が明確に特定できなかった業者を除いています。

信託保全の義務化に伴い、信託保全の方法自体に業者間の差は見られなくなりましたが、FX取引業者が直近の証拠金を計算してから信託銀行などへ信託するまでのタイム・ラグには、なお業者間の違いが見られるようです。

なお、参考までに、自己資本規制比率の高い順に並べています。

信託保全の即応性に注目!
外為どっとコム 上田ハーロー
FX
FXプライム byGMO マネー
パートナーズ
みんなのFX
信託保全の
金融機関反映
翌2営業日 翌2営業日 翌2営業日 翌2営業日 翌2営業日
自己資本規制
比率(%)
772.4 606.3 402.2 303.5 131

(各社ホームページを基に筆者作成)

次に、自己資本規制比率で比較してみました。

各社の開示資料に掲載された直近のデータを使用しています。自己資本規制比率は3カ月程度で更新されるので、直近データについては、個別に確認が必要です。

自己資本規制比率に注目!
外為どっとコム フォーランド
オンライン
上田ハーロー
FX
FXトレーディング
システムズ
IGマーケッツ証券
自己資本規制
比率(%)
772.4 661.2 606.3 586.1 511.7
信託保全の
金融機関反映
翌2営業日 翌3営業日 翌2営業日 翌3営業日 翌3営業日

(各社ホームページを基に筆者作成)

なお、参考までに、2つ目の表にも信託保全の金融機関への反映日数を記載しました。最初の表では、5つの業者全てが翌2営業日となり、違いが分かりにくいですが、2つめの表では翌3営業日の業者もあるので、幾分わかりやすいかと思います。

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